古来より、日本人の生活に欠かせない存在だった麻ヘンプ。
衣服としては吸湿性、速乾性に優れており、汗ばんでも肌に密着せず清涼感があります。
使いこむほどやわらかく肌になじむ麻。
なちゅらる生活の一つに、あなたも麻ヘンプを取り入れてみませんか?
日本人と麻ヘンプとは
日本人は古くから、生活のさまざまな場面で麻ヘンプを利用してきました。
その用途は広く、日本の独特な風土に適した麻織物、丈夫な釣り糸、畳表の経糸(たていと)、蚊帳、下駄の芯縄に使われるなど、日々の営みに欠かせぬものでした。
麻ヘンプが、いつから衣服として使われてきたかは定かではありませんが、縄文時代前期の遺跡から麻ヘンプの繊維が出土していることから、日本列島に人類が流入してきた時点ですでに使われていたかもしれません。
明治時代の岩手の生活を記録した「雪国と女と麻」によると、赤ん坊のおしめ、女性たちの御腰、親父たちの褌(ふんどし)・股引き、布団や夜着、手ぬぐい、帯と身につける一切のものが麻ヘンプだったと書かれています。
快適素材の麻ヘンプ
麻ヘンプのいちばんの特徴は、天然繊維の中で最も、「吸湿」「放湿」「熱伝導」に優れているんです。熱を吸収し、温度を常に低く保つため、肌触りもひんやりとしています。
しかも乾きやすく、汗でベタつきません。
また、ヘンプ繊維は抗菌・制菌性にも優れています。
ヘンプ素材と聞くと「ゴワゴワ」をイメージする方も多いかと思います。
実はヘンプ繊維はさまざまな麻繊維の中でもっとも柔らかく細い繊維であり、柔軟性をもたせるための特別な加工をせずに、体にフィットした衣類ができます。
しかも、使えば使うほど柔らかくなるので、よりあなたの体になじんできます。
ヘンプはまさに万能の繊維! 日本人が昔からさまざまなものにヘンプを使っていた理由がよくわかりますね。
麻ヘンプというと夏の生地をイメージしますが、オールシーズン使える、快適な素材なんです。
特に、ジメジメとした梅雨の時期に麻は威力を発揮します。
常にサラッとした肌触りなので、睡眠時にヘンプの衣類を身に着けると、とても快適な睡眠を得られますよ。
近年夏が長い年が多く、残暑が厳しいですが、そんな秋口にヘンプはぴったりです。
また保温力も高いので、真冬は羽毛布団の上にシーツをかけておけば、軽くて体への負担もなく、保温力がぐっと高まります。
同じく天然素材の綿は、吸湿性は優れていますが放湿性がないので、湿気を吸って重たく感じるときがあります。
それに対してヘンプは湿度を調節してくれるので、いつもさらさらの、素晴らしい素材なのです。
ファッションアイテムで麻ヘンプを取り入れる
ヘンプ素材の特徴「吸湿」「放湿」「熱伝導」を生かして、「ストール」や「ショール」など通年使えるファッションアイテムで手軽に取り入れてみてはいかがでしょうか?
ストール選びには肌の色と合わせた選び方がとても重要
ストールは顔と近い場所に用いるアイテム。
ストールの色合いにより、肌のトーンが明るくも暗くもなります。
肌とストールが同系色すぎると境目がはっきりせず、顔立ちまでのっぺりとした印象に。
肌とストールが互いを引き立てあうような色使いがベストなんですよ。
ヘンプストール・ショールのカラー展開
- 生成り(ライトベージュ)
- 八重桜(ライトピンク)
- 青梅(ライトグリーン)
- 紫陽花(ラベンダー)
ペールトーンの優しいカラー展開です。
コーディネートにも取り入れやすく、主張し過ぎない馴染みの良いカラーです。
お肌の色に合わせたオススメカラー
【色白肌】
明るめのカラーの中でも淡いカラーは相性バッチリ!
どのカラーもステキに着こなせます。
▼生成り…穏やかな印象になります。スタイリングも同色系でまとめるとオシャレな雰囲気に。
▼ピンク・紫・グリーン…あたたかみのある印象に。お手持ちのお洋服に合わせて、お好きなカラーをお選びください。
【普通肌】
明るめのカラーが似合います。はっきりとしたカラーを選ぶと◎。
▼紫・グリーン…涼やかな印象にしたい時。
▼生成り・ピンク…華やかな印象にしたい時。。
【小麦肌】
▼生成り…健康的でポジティブな印象。
▼グリーン…爽やかな印象。
▼ピンク・紫…白やベージュなどの明るいカラーのお洋服を着た時の差し色で使うとステキにまとまります。
季節や寒暖に合わせて、ストールとショールを使い分けたり、巻き方に変化をつけたりして、通年オシャレを楽しみましょう。