天気や気圧の変化によって起こる「気象病」や「天気痛」。
分からない人からすると、理解されにくい場合があります。
雨の日は頭痛がひどい!
低気圧が近づくと頭がズキンズキンする!
風にあたるとなんだか調子が悪い!など
これらは「天気」や「気圧」や「湿度」の影響で頭痛などがひどくなっている可能性があります。
また今の時期は季節の変わり目ということもあり、寒暖差で体調がすぐれない日が続くこともあります。
これのような不調はすべて「天気痛」でまとめられます。
その中でも頭痛は「天気頭痛」と言われ、ここ何年かでよく聞くようになりました。
最近は、ドラッグストアで天気頭痛のお薬が市販されていたり、天気痛外来ができたりと話題にもなっていました。
そもそも、天気痛とは一体なんでしょうか?
天気痛は、体へのストレスが原因?
天気痛の原因は、気温や気圧、湿度の変化による自律神経への影響、身体へのストレス、そして前線や低気圧によって人間にかかる圧力の変化です。天気が変わる前というのは、気圧が変化することが多くあります。
目に見えないため、あまり意識していませんが、気圧という圧力は常に人間にかかっているものです。
その圧力が変化すると、体の中から外側に向けている圧力も変化させなくてはなりません。
外からの圧力だけがあがったら、体が潰れてしまうからです。
そこで、外からの圧力に対して体の内側の圧力をチューニングするのですが、
その調整がうまくいかないと、体の不調の原因になってしまうのです。
天気痛は耳の奥にある内耳が影響していることも分かっています。
内耳が急激な気圧の低下や上昇を感じると、交感神経(体を緊張させる神経)と副交感神経(体をリラックスさせる神経)からなる自律神経のバランスが乱れてしまいます。
交感神経が活発になりすぎると痛みの神経を刺激し、頭や古傷が痛くなります。
一方、副交感神経が活発になりすぎると、倦怠感や気分の落ち込みを感じます。
「天気痛」が起こりやすい方は、内耳が敏感で、気圧の変化を感じ取りやすい状態と言えます。
天気痛は月経などの女性ホルモンが原因?
天気痛の原因は、体調を正常に保つ働きが過剰になることです。
気象病は年齢・性別に関係なく起こるのですが、特に月経のある女性が天気痛で悩まされています。これはホルモンバランスの変化に対応するために、自律神経が働いているからです。月経の周期は、さまざまなホルモンで調整されており、約1か月の間にそのバランスが変化しています。
ホルモンバランスの変化に気象の変化が加わるため、自律神経の働きがとても過剰になってしまいます。
更年期の女性も、ホルモンバランスが乱れやすくなるため、気象病が起こりやすくなります。
ストレスからくる自律神経の乱れが関係しているため、性格的に小さなことが気になる人や細かい人、
精神的ストレスを受けることで身体に変化が出る人も、気象病になりやすい体質といえます。
天気痛の予防解消法とは
耳のマッサージ
耳の血流を整えるマッサージをしましょう。
耳の血流が悪いと、内耳のリンパ液が滞ってしまい、頭痛やめまいを引き起こす原因となってしまいます。
朝昼晩に1回づつマッサージを行います。
天気痛の症状がでそうな時はもちろんですが、毎日の日課にして天気痛を予防しましょう。
上記図参照
①両耳をつまんで、上に5秒引っ張る、次に横に5秒引っ張る、次に下に5秒引っ張る
②耳を横に引っ張りながら、うしろに5回まわす
③両耳を指で挟むように折り曲げて、5秒間キープします
④手のひらで耳全体を覆い円を描くように、うしろにゆっくり5回まわします
ビタミンB群を積極的に摂る
ビタミンB群は神経疲労、筋肉疲労に大切な栄養素です。
また体の代謝を助けてくれるので、毎食積極的に摂り入れていきましょう。
甘い物が好物な人、やお酒をたくさん飲まれる人は、ビタミンB群が不足する傾向となるため特に気をつけましょう。
リラックスする
症状がひどい時は、我慢をせずにリラックスを心がけましょう。
夜になっても、神経が緊張しっぱなしだと、自律神経は乱れる一方です。
忙しくて睡眠時間を確保できないのであれば「寝る1時間くらい前から明かりを落とす」
「スマホの画面を見ない」など、睡眠の質を上げる行動をとりましょう。
中でも最も有効なのが入浴です。ぬるめのお湯につかると体は無条件にリラックス状態になります。
入浴で上がった体温が下がり始めるタイミングでベッドに入るよう習慣づけるのもいいですね。
体内の水分バランスがまねく天気痛
漢方医学では、気象病の多くは「水毒(すいどく)」と考えられる場合があります。
これは体内の水分バランスのわずかな乱れで、
汗やリンパ液などの体液の循環が悪くなった状態のことを言います。
頭痛は通常、血液に水分が溜まって血管が拡張し、神経を圧迫することで起こります。
湿度が高く汗をかきにくくなる梅雨は、特に頭痛が起こりやすくなります。
気象の影響で起こる頭痛としては、まず片頭痛が挙げられます。
ズキズキと脈打つように痛むのが特徴で、多くの場合が頭の片側だけに起こります。
中には、頭が締めつけられるような痛みが特徴の緊張型頭痛が現れる人もいます。
ただ、この頭痛は血管が拡張して起こるものではなく、後頭部や首の後ろ側の筋肉が収縮することが原因です。
同じ頭痛ですが、気圧の変化によって血管に影響を受ける人と筋肉に影響を受ける人がいるということです。
それぞれの自律神経のバランスの乱れ方が違うのです。
水毒には体の水分を入れ替えよう
カラダを動かして汗をかく他に、水分を排出する方法として、
日ごろから小まめに水分補給をすることをオススメします。
1日に5~7回トイレに行く程の水分を摂り、体内の水のめぐりをスムーズにしてあげましょう。
また、冷えた飲み物よりも、常温もしくは温かい飲み物を飲むことも大切です。
胃腸の冷えは水分代謝の低下にもつながり、またこれからの季節は夏バテにつながることもあります。
水分を入れ替える観点から、利尿作用のあるルイボスティーや小豆茶がオススメです。
【小豆茶】
体内の余分な塩分を排出するカリウムと利尿作用があるサポニンが豊富に含まれております。女性に嬉しい効果がそのほかにもたくさんあります。
またほっこりする味わいで、クセがなくとても飲みやすいです。
【ルイボスティー】
「ルイボス」とは、南アフリカ共和国に位置するセダルバーグ山脈で育つマメ科の低木で、
ルイボスから作られるお茶のことを「ルイボスティー」と呼びます。
「ルイボス」とは現地の言葉で「赤い茂み」を意味し、ルイボスティーも深い赤褐色をしています。
その見た目とは異なりクセがなく、ほんのりと甘みがあって飲みやすい紅茶のようなお茶です。
他のお茶に比べて含まれるタンニンの量も少ないため、渋みはほとんど感じません。
また、ノンカフェインのため小さい子どもや妊婦でも安心して飲むことができます。
これからの季節は、天気痛で悩むことが増えてきます。
症状は人それぞれなので、自分の生活リズムに合った対策で梅雨時期を元気に乗り切りましょう。